P&P用刷毛

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気に入った刷毛が見つかった!が、、、

自分にあった刷毛を探すのは一苦労で、過去何本買ったかわからない。しかし、最近アメリカ土産(古い言い方?)でもらった刷毛は、非常に使いやすく気に入っている。Jack Richesonというイギリスのメーカーのものだ。
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毛先はテーパー状に細なっている。動物の毛ではなく、ナイロン?の様な化学繊維だ。腰があって、それでいて柔らかく、含んだ液の排出がスムース。また、塗っている最中に毛が抜けて印画紙に残ってしまうということがない。毛はたまに抜けるのだが少し飛び出てくるだけなので、その都度手で抜いてやれば良い。と良いこと尽くめだが、一つだけ欠点があった。それは金属製の幅木だ。

P&P関連の文献では、金属製の幅木は使わない様にと書いてある。金属部分が錆てその鉄分が感光液に悪影響を及ぼすという。アメリカのワークショップなどでこの刷毛は結構使われているようだが、その点はどうなんだろう。もう一つ、刷毛の柄部分に塗ってある塗料が使っているうちにバリバリ剥がれてくる。

そして幅木を分解してみて驚いた。

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数回使用しただけなのにかなり錆びている。右は新品の幅木の内側

そこで金属部分を外して和刷毛にしたらどうだろうと、いつも行っている刷毛屋さんに相談してみた。職人に聞いてみるということだったが後日返事が来て、これを分解して和刷毛にすることは出来ないという。和刷毛は木の板で挟んで絹糸で締めるのだが、毛と毛の間に糸を通すので、この毛では無理だろうとのことだった。
しかしもしかしたらあの人なら出来るかもしれない、と紹介していただいたのが根津のLinkIcon小林刷毛製作所だ。小林さんは東京でも数少ない和刷毛の職人さん。博物館などの修復用の刷毛なども手がけている。早速伺った。このテーパー状になった毛のことはご存知で、一番良いのはこの毛を手に入れて新たに造ることだろうが、日本には無い様だとのこと。取り敢えず一本やってみましょう、ということで引き受けていただいた。一週間ほど後、わざわざ事務所まで出来上がった刷毛を持ってきてくれた。

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仕上がりはすばらしいものだった。毛の根元部分が接着剤で固めてあるためにかなり手こずったらしいが、美しく、かつ丈夫に出来上がっている。やはり日本の職人さんは凄い!感謝!!

 
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